2023年12月9日(土)県立博物館・美術館にて「沖縄の自立を考える ―政治・経済・文化と境界の意味―」講演会を開催します

2023年12月1日

命どぅ宝!琉球の自己決定権の会では、12月9日(土)県立博物館・美術館(美術館講座室)で屋嘉宗彦氏を講師に招き、「沖縄の自立を考える―政治・経済・文化と境界の意味―」をテーマに講演会を開催します。
前々から気になることだが、「琉球独立」(自己決定権)に関する琉球・沖縄人(うちなーんちゅ)の関心は政治的立場を問わず、「経済的に自立できれば賛成だ」とする人々がかなりの割合で存在するのではないでしょうか。この「経済的自立」の条件付き「独立」の背景には、140余年前に日本に併合されてから今日まで、経済的自立がままならない状況下に置かれ、常に県民生活の困窮・貧困から抜け出せない現実があるのではないかと思います。
また、なぜ「独立」が人々の意識から消えることはないかといえば、琉球とヤマト日本が元もとその歴史と文化を異にし、小国とはいえ一つの主権国家として存在していたが、武力で強制的に日本国家に併合され、常に少数派として排除され翻弄されてきた従属の歴史があるからです。
戦前期の恒常的な経済的困難と少数派としての差別と偏見にさらされる状況下においては、自らの困難を乗り越える術として、日本という多数派の仲間入り=日本(人)への同化という選択を余儀なくされました。だが、問題は琉球・沖縄人が日本同化によって、経済的困難や従属の歴史が解消されたかというと、現状はさらなる泥沼化の様相ではないでしょうか。特に、沖縄戦から米軍統治、そして日本「復帰」を経た琉球・沖縄の現実は日米両国の軍事植民地・要塞化として位置づけられ、経済的困難の解消どころか琉球・沖縄人の生命と未来さえ奪われかねない危機的状況にあります。
琉球・沖縄人の独立への思いは、自らの誇りと尊厳の表れでもありますが、かような危機的状況にあっても、なお日本政府の経済振興策の前にひれ伏し、現実から逃避せんとする処世術に日本への従属と同化の根深さを感じます。そこに、私たち琉球・沖縄人の未来はあるのでしょうか。この従属と同化の問題が、果たして日本「復帰」運動においてどのように認識されていたのか検証が必要です。
では、冒頭の問いに戻って、いったい琉球・沖縄の現在の経済的実力はどのようなものか。また、世界的な気候変動や経済資源の枯渇、環境問題などを抱えるなかで、これまでの経済発展のモデルを追求するだけでよいのか。琉球・沖縄の経済的自立と政治的文化的自立の関係と可能性はどうか。
講師の屋嘉宗彦氏は、これまで「沖縄の自立経済」について研究し、多くの提言を行ってきました。本講演では、これまでの沖縄振興開発の歴史や植民地主義的な厳しい現状を踏まえながら、政治・経済・文化の自立について多くの示唆を与えるものと期待しています。多くの皆さんの参加を呼びかけます。

Zoom併用での開催です。参加ご希望の方は当HPの「お問い合わせ」から申し込んでください。