2019.05.12.シンポジュウム「琉球併合140年 日本『復帰』の総括と脱植民地化 日琉同祖論を乗り越える」が開催されました。参加者は175名でした。

5月12日に西原町中央公民館にて、当会主催のシンポジュウム「琉球併合140年 日本『復帰』の総括と脱植民地化 日琉同祖論を乗り越える」が開催され、175名の参加者がありました。

このシンポは、日本による琉球の武力併合から今年で140年を迎えることから、その後の「復帰」運動等の歴史を検証する中で、私達の意識の根底にある「日琉同祖論」を乗り越えていこうと企画されたものです。基調講演を含めて、3人の方に講演をしていただきました。基調講演は、琉球大学教授の波平恒男さん。江戸時代末期から明治維新後の歴史を振り返り、日本による琉球併合と朝鮮併合の関係の中で出てきた「日琉同祖論」「日鮮同祖論」の並行性について語りました。そのうえで「日鮮同祖論は日本の敗戦と同時に捨て去られたが、日琉同祖論は沖縄が日本から切り離され、復帰運動が盛り上がる中で生き続けた」と語りました。

沖縄近現代史家の伊佐眞一さんの講演では、「日琉同祖論を日本による領有・支配の正当化」とし、「復帰運動による天皇制と日本への組み込みがあった。現在の状況を克服するためには、琉球・沖縄史と文化の血肉化(特に言葉)が必要だ」と語りました。

沖縄国際大学非常勤講師の大城尚子さんの講演では、「現在の在沖米軍基地問題は、日米がたらいまわしにしながら、お互いの責任を覆い隠し、その上で補強・補完する軍事的再植民地化ではないか? 2016年に国連で採択された『平和への権利宣言』を使い、脱軍事的再植民地化を構築できるのでは」と問題提起を行いました。

その後、批評誌N27編集室の神谷三島さんをコーディネーターに迎え、3人の講師の方に会場からの質問に答えてもらい、3時間を超す長丁場のシンポジウムは、無事終了しました。琉球武力併合、日琉同祖論、「復帰」運動と、歴史を俯瞰する中で、琉球と日本との関係を明らかにし、その歴史のトラウマを乗り越えていく行動を今後も続けていきましょう。

(命どぅ宝!琉球の自己決定権の会ニュースレター13号より転載)